会計・財務

院長先生とスタッフでは「見えている数字」が違う。

2019.01.16
会計・財務

 

いつも税理士が持ってくる「損益計算書」

毎月ご覧になっていると思いますので、いわずもがな、ですが、

「ご収入」から、「原価や経費」を引いたのこりの「利益」がいくらとなっているか

を示したものになります。

 

私も、毎月この「損益計算書」をお持ちし、先生(や事務長)にご説明させていただいています。

(もちろん、「損益計算書」だけでなく、「貸借対照表」も、場合によっては「キャッシュフロー計算書」もお持ちしてご説明させていただいていますが)。

 

この「損益計算書」。最近いくつかのお客様とお話をしていて感じることがありまして、

それは、

 

経営者である先生と、従業員であるスタッフの方たちでは、見えている数字がかなり違っている

 

ということです。

 

何が違うのか。

 

この違いを具体的にご認識いただくことが、

 

従業員であるスタッフさんと、経営者であるご自身の立場の違い

ひいては、同じ現象を目にした場合でも、感じ方の違い

 

を理解いただくヒントになるのかな、と思うことがあり、下記に列挙してみたいと思います。

①:従業員には「売上」までしか見えない。

前述のとおり、損益計算書の構造としては、

まず、ご収入(保険請求や窓口負担、市区町村からの入金など)があって、

そこから、お薬の仕入れや検査代などの原価や、給与やクリニックの家賃などの販売管理費を引いて、

その残りが利益となり、先生の所得となります。

仮に1億円の事業収入があったとしても、先生の所得となられるのは、そこから原価・経費を引いた残りの一部。

 

・・・なのですが。

 

従業員の皆さんからは、この「原価・経費を引いた」という箇所が見えていないケースが結構あります。

 

うちの先生は「年間1億円くらいの収入がある」

 

で、理解が止まっておられ、そのあとに先生がお支払いになられているいろんな経費は、

 

「頭ではわかっているけど本質的には見えていない」

 

状態の場合が結構あると思います。

 

クリニックではありませんが、例えば美容院などで(税理士事務所などもそうですね)、

 

私は、月にX百万円売り上げてるのに、給与はX十万円しかもらっていない

 

という言葉が従業員の方から出てくる、というのも、

 

本質的には、この、

売上 ―(原価+経費)= 利益
という損益計算書の構造が、従業員には最後まで見えていないというのが背景にあるのだと思います。

②:従業員には「借入金返済」は見えない。

「借入金の返済」。

これは、先ほどの「損益計算書」には出てこない数字になります。

ご収入から、原価・経費を支払った残りから、「借入金を返済」頂くためです。

そのため、数字としては「貸借対照表」の動きを見ないとわかりません。

 

そもそも従業員の方が、

先生がクリニックのためにどの程度の借入をされていて、月々どの程度ご返済をしているか、

はご存じないと思いますので、この「借入金の返済」というキャッシュアウトも従業員の方には見えない部分になります。

③:従業員には「納税」は見えない。

上の「借入金の返済」と同じく、「ご納税」も従業員の方には見えない数字になります。

従業員の皆さんは「給与所得」のため、

 

給与から先に所得税が天引きされた残りが手取りになる

 

のに対して、先生の所得は(個人事業の事業所得の場合)、

 

収入から原価・経費を引いた残りの利益から、税金を払う

 

ので、まったく順番が逆になるのも、従業員の方にはイメージがわきづらいところです。

 

などなど。

書いてみれば当たり前だけれど、やっぱり「経営者」と「従業員」では立場が違うのです。

先生の「お悩み」のすべてをスタッフさんに理解してもらう、のはまず難しい、というのが現実なのかな、と思います。

ちなみに、損益計算書の構造や、先生とスタッフさんが見えている世界の違いを

少しでもわかりやすくご説明させていただければ、と作成したのがこちらのスライド。

 

損益計算書とは

 

「スタッフとどこまで数字を具体的に共有すべきなのか」というのは、また別の論点になるのですが、

まずは、

 

自分と従業員で見えている数字が違っている(・・・から仕方ないよね)

 

とご認識頂くだけでも、少し気が楽になったりして、と思います。

 

【ひとりごと】

ちいさいけど、おとなのキノコ!

その名も「ちいたけ」(笑)。

大きさはマッシュルームくらいなのですが、ちゃんと形が、しいたけ、なのです。

可愛すぎる(涙)。

 

 

 

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