医療・クリニックに強い税理士松浦薫のブログ
“そろそろ分院を検討しようかな。。。”
開業後、順調に推移され、医療法人化され、そしてまた順調に推移されると、
次に検討項目としてあがってくるのが、
「分院の開設」。
(もちろん、現在の診療所での診療を重視され、まったく「分院」をご検討されない先生も多くいらっしゃいます)
つまり、パスとして、
・ 「勤務医」→「開業」→「法人化」→「分院の開設」
という道をたどっていかれるということなのですが、
BCG時代から、長く「経営」という側面でクライアントサービスしてきた立場から申し上げると、この「分院の開設」は、
・ 先生が、「勤務医」というお立場から、「開業医という経営者」というお立場に変わられたとき
と同じくらい、場合によっては、それ以上にジャンプがある、というか、考えるべき項目が多いものではないかな、と思っています。
もちろん、「勤務医」→「開業」(給与をもらわわれる身から、経営者&人を雇う立場という変化)も相当な変化です。そもそも「経営者」として「スタートされる」のですから、、、本当に大変なことです。
ただ、「分院の開設」は、「経営」という側面から考えると、「開業」という「経営のスタート」とは、少し種類の違う難しさが伴います。
・ 例えば、「分院の運営、という経営の一角を担って頂けるドクターの存在」など
そのため、「分院の開設」のご相談があった際には、
先生の「経営のサポート」をさせていただく身として、
先生ご自身に、下記のような問いを考えて頂くように心がけています。
(注:文章にするとダイレクトな感じですが、もちろんそんな直接ズバズバお聞きするわけではありません。あくまで先生ご自身に考えていただきたいことです)
などなど。
少し「医療」とは離れた「組織運営」の話が多くなっているのですが、、、
これまで、コンサルタントとして「組織構築」のプロジェクトに関わってきた経験
から、先生の「組織づくり」がうまくいくためのエッセンスを抽出してみたつもりです。
では、それぞれの問いについて、
・「なぜ」その問いを考える必要があるのか
を書いていきたいと思います。
1)「分院の開設」をそもそもなぜしようとお考えなのか?目的は?
同じ「分院開設」でも、先生によってお考えになるきっかけ・目的は違います。
など。
まずは、「なぜ」分院展開をされたいと思われているのか、の目的をクリアにしていただくことが大切です。
なぜか。理由はいくつかあります。
① 目的をクリアにすることで、「そもそも分院開設すべきかどうか」「どういう形で開設していくべきか」が見えてくる
・ 例えば、ですが、「手狭になってきたので」という理由だけであれば、「分院開設」ではなく、今の診療所の「増築」や「広いところへの移転」が最適解の場合があります。
・ また、通常、分院展開は「その地域にドミナント展開(特定の地域に集中して出店することでその地域で「選ばれる」存在になること)」することが多いのですが、先生の目指す目的によっては、敢えて近くにこだわらず分院を開設されることも考えられます。
・ さらに、詳細は記述を省きますが、目的によっては、「医療法人の分院開設」にこだわらず、違う形での展開を考えたほうがよいケースもあります。
② 目的をクリアにすることで、その後の「ドクター採用」などの方針が決まる
・ 分院を展開されるにあたり、「分院長」となられるドクターのご採用は、分院の成否を分ける重要な項目です。
・ そのため、「分院長」となられるドクターを採用されるにあたっては、そのドクターに求めるものが何か、をクリアにしておくことが不可欠。
・ とはいえ、「分院長」のドクターはなかなかの難事業です。紆余曲折される中で、「どういう方を採用したいのか」がブレてしまうことも。
・ そうならないためにも、ご自分の理想とされる診療の横展開なのか、医療法人としての規模拡大を求められるのか、等、そもそもの「分院開設」の目的をクリアにしておくことはとても大切、だと思います。
・・・想定していましたが、やっぱり書ききれませんでした。
2)「分院の開設」にかかる初期投資費用はどのようにかんがえられているか?
などなど、はまた別記事で記載していきたいと思います。
「分院の開設」。
考えるべきこと、として色々色々と挙げてしまいますが、
ただ、先生の「経営をサポート」する身としては、先生の事業が成長されるお手伝いができるのは本当に嬉しい限りです。
だからこそ、ぜひ成功して頂きたい。
ので、耳の痛いおはなしも含めて、色々色々と挙げてしまうのでした。