美術鑑賞日記

歌川豊国ー写楽を超えた男:税理士の美術鑑賞日記

2019.09.04
美術鑑賞日記

今回は、美術鑑賞日記。

絵を描くのが上手なわけでも、美術を学んでいたわけでも、ないのですが。

美術館でゆっくり時間をすごすのを習慣にしています。

 

というのも、

税理士and…なおシゴトをさせて頂いていると、

平日とか、土日とか、いう概念がなくなることがあります。

 

「24時間365日」、「寝ても覚めても」。

クリニックや会社を経営なさっているお客様からすると当たり前な話かもしれませんが、

のってくればくるほど、どうしても曜日や時間の概念がなくなってしまうところがあります。

企画ものや事業計画のご支援など、まとまった時間を必要とするおシゴトは、

どうしても「平日の合間に」、というわけにもいきませんし。

 

・・・ただ、たまに、

 

頭が煮詰まる。

 

的な局面が(まだ来てないけど)、来るな~と思うことがあり、

 

煮詰まる前に冷ましておこう。

 

ということで、

まとまった時間がとれる日は、リフレッシュもかねて、美術館でゆっくりと時間をすごすのを習慣にしています。

美術館、いいですよね。

静かで、落ち着けて、非日常で、ゆっくり時間が流れていて。

 

いつも、

目的から逆算

できるだけ、効率よく

できるだけ、無駄がなく

・・・と、ちゃきちゃき動いている自分を、「いい具合」にクールダウンしてくれる気がします。

 

ということで、今回は、太田美術館。

歌川豊国 - 写楽を超えた男

にいってきました。

歌川豊国。

生誕250年記念になるそうで、これまであまり知らなかったのですが、歌川国芳のお師匠さんになる人、なんですね。

初期から晩年まで、美人画、役者絵、舞台絵、読本挿絵・・・など、色んなジャンルの作品が、展示されていました。

 

① 写楽との対照

 

役者絵では、写楽と同時期に人気を競ったそうですが、

写楽とはまた違って、なんというか、描かれている役者が

・・・いい感じで美化(笑)されている感じで、

立ち姿も顔も、とても爽やかな印象。

写楽の同時期の作品も2点だけ展示されていましたが、並べてみてみると、本当に対照的

 

役者の特徴を少しデフォルメといってもいいくらいにリアルにとらえた写楽がある意味「一発屋」で、

かっこいい役者をかっこよく!描いた豊国が、長く人気を誇ったことを考えると、

かっこいい役者さんがみたい!という観客の心情は今も昔も変わらないのかもしれませんね。

 

② 題材の移り変わり

あと、面白いな~と思ったこと。

役者絵の題材が、途中から、舞台上の姿から、役者個人の舞台裏の姿や生活ぶりに移っていきます。

これは、役者絵を買う庶民たちの興味が、

単なる舞台上の姿だけじゃなくて、その舞台裏や役者個人の生活が見てみたい、という方向に移ったことに対応したものだそうで。

すごいですね。世の中の流れを読んで、求められているものを理解して、描く題材を適応させていく。

 

世に出てから亡くなるまで、長い間ずっと第一線で活躍できたのも、うなずけます。

 

③ 絵手本(役者絵まにゅある)

あともう一つ。

豊国が役者絵を描くにあたっての、絵手本も展示がありました。

弟子に、「こうやって役者絵は描くんだよー」と教えるための、絵手本

役者を書くときは、まず、体を描いてから、その上に衣装を重ねていく、、、といった細かい技法が書かれてまして。

いってみれば、まあ「マニュアル」、なんですけど、

単なるマニュアルとは全く違って、豊国の、役者絵や弟子への想いのこもった絵手本

自分の技術を周りに伝え、少しでも多くの弟子のレベルを上げようと、したのでしょうか。

昔も今も、道を究めた人がやろうとすることって、変わらないんだな~、と思いました。

 

ということで、歌川豊国展。百点をゆうに超える展示は見ごたえ十分、でした。