仕事術

税理士の宿題「税制改正大綱」:税理士の私が大量の資料を読み込むコツ

2018.12.30
仕事術

先日12月21日、「平成31年度税制改正大綱」が閣議決定されました。

この「税制改正大綱」、税理士にとっては年末年始、冬休みの宿題、というかなんというか・・・

毎年、この時期に目を通して頭の中にはいれておいたほうがよいもの、なのですが。

税制改正大綱って?

 

というのも、この税制改正大綱、そもそも何かというと、

来年以降、こういう税制改正が入るよー

ということが記載されているもの。

※もう少し詳しく記載すると、

与党の各部会の税制改正要望項目をもとに、

「政府税制調査会」、「与党の税制調査会」で審議されたものが、

12月中旬に(今年は12月14日でした)与党の「税制改正大綱」としてとりまとめられ、

その与党大綱を踏まえて、政府が「税制改正大綱」を閣議決定する、というものです。

(そして年明けに国会提出され、委員会・本会議で審議・可決され、3月31日までに法律が成立、というながれ)

 

この「税制大綱」、来年以降にどのような税制改正が入るのか、を把握しておくためにも必読の資料だったりします。

また、それだけではなくて、その税制改正がなぜ行われるのか、といった背景、もっというと立法趣旨を理解するためにも、やっぱり必読の資料だったりします。

 

・・・だったりするのですが、、、これがまたボリュームが多い。今年も鉄板の100ページ超。

 

「読むぞ」と、気合を入れるだけでは、まったく進みません。読めません。

そして、年末年始の休暇あけたら、引き続き繁忙期。読んでる時間はありません。

 

なので、「年末年始の休暇中にできるだけざっと目は通しておきたい」涙。

しかも、自分が「この人はすごいな」と思う先生に限って(ワタクシなんぞより、めちゃめちゃお忙しいはずなのに)、

「読んだよ」とご覧になっているのですよ。

 

ということで、なんとか完読するために、毎年涙ぐましい細かい工夫を、ひとつずつ積み重ねてます(涙)。

 

ただ、このシチュエーションって、何も「税理士が年末年始に税制改正大綱を読み込む」みたいな特殊な状況に限らず、

ビジネスパーソンなら、仕事でよくある話ではないかと。

 

ということで、

 

忙しいんだけどざっと目を通しておかなきゃいけない資料がたまってる!

 

という場合のTipsとして、まとめておこうと思います(来年の自分のためにも笑)。

以下、私の「涙ぐましい工夫」リストです。ご参考になれば幸いです。

① 全体像をざっくりつかんで、
頭の中にインデックスを作る。

最初から、

 

120ページ超の資料を読もう

 

と思うと、もうそれだけで全くやる気がおこりません。

・・・が、内容がだいたいどういったものなのか、をざっと把握できていればそのハードルも少し下がったりします。

 

なので、ほかの資料で概要が書いているもの、をまず目を通すのがおすすめ。

内容はすべて頭に入らなくてもキーワードだけで大丈夫で、イメージは、「頭の中にインデックスを作る」

私の場合、業界新聞で紹介されている「税制改正大綱の主な内容」(下記写真)をまず読んだうえで、100ページに取り掛かるようにしています。

 

②「漠然としたうんざり」を消す

なんだかよくわからない見出しになりましたが、要は、

 

「読み終わるのにどれくらい時間がかかるのか」もしくは「ここまで読むのにどれくらい時間がかかるのか」を見える化する。ということです。

 

「すごい時間がかかる、、、」

 

と思うだけでは、どうしたらいいのかわかんない、状態(その前にそもそもやる気にならない笑)だと思うのですが、

 

「頑張って読んで2時間はかかる」

と思えば、

 

・・・ん?2時間なら、この日にとれるかも。1時間ずつなら、こうやって時間とれそう

って、実は打ち手が見えてきたりするから不思議です。

 

で、見える化ってなんやねん?という話ですが、

自分がA41ページ読むのに、どれくらい時間がかかるかを数値で把握しておけばよいだけ。

全く知らない内容の話、少しはわかっている話、などによってもちろんばらつきはありますので、あくまで目安として。

私の場合、1分間にだいたい1300~1400文字くらいのスピードなのですが(=A41ページを1分くらいで読む感じ)、

「税制改正大綱」のような話だと、1ページ読むのにやっぱり1分半(場合によっては2分)くらいかかります。

なので、

あー、頑張って通読したら3時間はいるなー、と思ったりするので、

 

年末年始休みにまとめて3時間確保できるところはある?

いや、ない、ならここと、ここと、ここで1時間ずつとるか、

 

といった計画を立てたりするのです。

 

ポイントは、「ページ数での見える化」ではなくて、「時間数での見える化」にすることで打ち手が見えること。

 

「見える化」って結構大事で、計算してみると大したことないからやれそう、とか思うこともままありますので、以外とおすすめ。

 

③場所と時間の制約を
できる限りとっぱらう

 

そうはいっても、「2時間まとめてとる、、、無理。」という時もあると思います。

そんなときは、ツールをつかって場所と時間の制約をできる限りとっぱらう、ことも大事かと思います。

 

120ページの資料を読む、というと、どうしても、

「自宅で、3時間、まとまった時間がとれるときに」という限定が入ってしまいます。

 

・・・場所も時間もなかなか難しい。

 

なので、私の場合、定期的にジムに通ってまして、行くと必ず必ず20分バイクをこぐようにしているのですが、

iPadminiにPDFを保存し、その20分で読みながらバイクをこぐようにしています。3回やれば1時間分はクリアできます。

 

④ 読んだあとの「アウトプット」
を意識する。

なんでもそうなのですが、「このためにやる」という目的がはっきりしてれば、モチベーションもあがります。

「税制改正大綱」は、来年の税制改正をつたえるものなので、

 

あ、これってこのお客様にいち早く伝えなきゃ。

あ、これってあのお客様に関係するかも、年明けご連絡しなきゃ。

 

と、読んだ後にどうするか、のアウトプットを意識することで、実は作業がはかどったり、します。

 

⑤言い訳する「逃げ場」をなくす

これは、そのままその通り笑。

年末にがっつり「宣言」します。

 

年末年始に、「税制改正大綱」、目を通しておきます。

 

と(涙)。

私の場合、

12月のお客様訪問で「税制改正大綱」のお話をし、「次回ご訪問で概要お話しますね」と言ってしまう

というのが一番効果的なのですが、まだそれはやってません笑。

 

・・・ということで。

「平成31年度税制大綱」、実はまだ完読していないのですが(笑)、

書いてたら、今年もがんばって読める気がしてきました。うん。

今回も、「空き家特例3000万」「個人事業者の事業承継」「教育資金の一括贈与」など、

お客様に結構ご紹介が必要そうな内容も多いので。がんばります。