組織づくり

『因数分解』、してみませんか?

2018.11.09
組織づくり

昨日は、お客様との面談3件。
とはいっても、税務顧問の訪問ご面談ではなく、「相続のご相談」でした。
相続のご面談は、平日もありますが土日にお会いすることも多いです。
というのも、お仕事をされている相続人の方(特にサラリーマンの方)は、

面談、といっても、平日にお時間をとるのはなかなか難しく、土日のご面談を希望されるケースが多いです。

私も新卒からしばらくは「サラリーマン」として働いておりましたので、
“平日、無理。できれば土日にしてほしい”
というお気持ちもよくわかりますので、できるだけ対応させて頂きたいと思っています。
(しかも、私だったら、“土日に相続の話、、、めんどくさ。”と思ってしまいそうなのですが笑、皆さま快く弊社までご来社頂き、大変ありがたいです)

・・・というのと、
やはり士業・クライアントサービスのプロ(注:発展途上)にとって、
お客様のお言葉一つ、反応一つから、いろいろと学ばせて頂くことが多々あります。
なので、どれだけ忙しくても、できる限りお客様との接点は増やしていきたい、
というよりむしろ最優先で確保したいと思っています。

昨日の面談でも、いろんな学びがありましたが、特に強く感じたこと。

お客様(&もちろん自分も)の貴重な1〜2時間。
面接のクオリティをどう安定的に品質確保していくべきか。

ということ。
ここのところ、少し疲れ気味だったこともあり、
「せっかくの週末面談、無理矢理にでもモチベーションをあげて頑張ろう!的な土曜日」だったのですが、結果的には
「無理矢理モチベーションあげなくても、ぜんぜん没問題な土曜日♩」でした。

週末対応なので、私がギリギリに到着しても、すぐにお客様対応&お茶出しできるように、お湯のみ・急須・ふきんなどの「お茶出しセット」だけでなく、「面談セット」をわかりやすいところに、きちんと準備してくれている
お客様への報告、その後の反応まで見越して、伝えるべき内容が整理された資料がきっちり準備されている

などなど。

実際、3件目は移動してのご面談だったので少しギリギリのタイミングで到着。でも、おかげで問題なくお迎えすることができました。
社内の行き届いた心遣いのおかげで、本当に、助けられた土曜日。。。でした。

そこで感じたこと。

面談のクオリティは「面談者個人」のスキル(知識・経験)だけで担保するものではない。

ということ。

もちろん大前提として、面談する個人は、知識・経験・お客様への姿勢など、
少しでも高いレベルを目指す必要がありますが、
1〜2時間の面談でお客様に満足していただくためには、
個人技だけに頼るのでは、どうしても限界があります。
個人の経験・知識・スキル以外の要素も含めて考える必要が。

全く同じように考えるのはおこがましいかもしれませんが、
これは、院長先生の診療とクリニック全体の関係でも同じことがいえるのかもしれません。
先生のクリニックに来てくださる患者さんに少しでも高い満足を得てもらうためには、「先生の診療」だけでなく、クリニック全体の色んな要素(受付の方や看護師の方の応対、クリニックの雰囲気、設備、場所etc。。。)について考える必要があるのでは?

・ ・ ・といっても、じゃあどうすればいいんだよということで。
久しぶりの因数分解。

コンサルタントの基本スキルの一つとして、「因数分解」があります。
(もう、いろんなコンサル書籍で言い尽くされていますが)
目の前の課題を全体まとめてざっくりとらえることももちろん大事ですが、
 ・課題を「因数分解」し、
 ・それぞれの要素について「打ち手が見えるまで」深くドリルダウンしていく
作業が必要となります(・・・というか、それを叩き込まれます)。

 ・どういうフレームワークで因数分解するのか
 ・どの課題を選んでドリルダウンしていくのか
(フィージビリティ(実現可能性(の匙加減も考えながら)

が重要で、このスジがいいかどうか、をミーティングでは徹底的に議論されます。

※コンサルタントのあるあるワーディング。
「 ・ ・ ・まず、因数分解してみよっか」
「これって、因数分解、足りないんじゃないの?ぬけもれはげしすぎんだけど」
「これ、どーいう仮説で因数分解しよーとしてんの?打ち手全く見えないんだけど」 などなど(涙)。

ということで、
毎月のご訪問で「患者さんを増やすためにはどうしたらいい?」という問いに対して、色々とお話ししているうちに、必要な打ち手を考えるための因数分解&フレームワークを自然に考えるようになってきました。
もちろん、クリニックの集患を本業とし報酬を頂いているプロではありませんので、あくまで患者目線が中心でのアドバイスにはなりますが、、、

ご参考までに、いくつかポイント。

1. 目の前にあるものに「しっかりと」目を向ける

因数分解でよくあるパターンは、「教科書的に全ての要素を抜けもれなく&深く」分解してしまうこと。もちろん抜けもれを防ぐという意味では必要なのですが、全ての要素に同じレベルで深掘りしていると、「全部考えたけど全部考えきれていない」状態になってしまいます(コンサルタント1年生のよくあるパターン)。
どこまで深掘りするか、は院長先生の考え方やクリニックの置かれている状況によって、変わってきます。時間をかけて考えてみたけれど、「え、結局なんだっけ?」ということにならないために、、、
少し引いた目で、ご自分のクリニックを見てみましょう。内装設備、スタッフ、ホームページ、立地、などなど。「ピン」と何かアンテナが立つ瞬間があれば、そこに問題(がありそうと先生が無意識に思っている)要素が含まれているはず。因数分解&深掘りすべき要素はその要素です。時間をかけて考えてみましょう。

2. 時間軸を意識する

大きな企業体での取り組み(時間も人手も必要ならかけられる)とは違って、打ち手を考えために一番大切な要素は、「打ち手の実現性」かと思います。私の(もちろん誇れるほど多くはないですが)経験から申し上げると、「全てを一度に」は、ほぼ!うまくいきません。何かを変える&進めるためには、「段階」が必要です。
「笛吹けど踊らず」にならないためにも、
・ やってみた → できた! やってみた → できた!
を積み重ねていくことが大切。
今できること、少し準備が必要なこと、だいぶ先だけどやってみたいこと、、、今のクリニックの状況、スタッフのレベル&意識、などなどを考えて、時間軸での優先順位を意識することが必要です。

3. 1人で考える時間を確保する&あまり1人で考えすぎない(笑)

毎日の診療でお忙しい先生。そんなの考えてる暇ないって、と思われるかもしれません。でも、まずは15分だけでも(コーヒーを飲みながらでも)やってみて頂けるとよいかな、と思います。考えるには、A4の紙とペンがあればOK。私の友人でA4の紙を折りたたんでペンを挟んでポケットに入れている、というコンサルタントもいます(確かに3回折りたたむとポケットに入ります笑)。ちなみに私はiPad miniとBluetoothキーボードを持ち歩く派なのですが、何かを一から考えるときはやはり「紙」を使います。なのでA4ペーパーは(コピーの裏紙とか)いつも数枚(折りたたまず笑)クリアファイルに入れて持ち歩くようにしています。本当は方眼紙がおススメなのですが、それはまた別の機会に。
とはいえ、1人で考えすぎても、思考はいつかスタックしてしまいます。そしてそのうちつまんなくなってきます笑。「詰まったな。。。」と思ったら、誰かに紙を見せて議論してみましょう。事務長、信頼できるスタッフ、毎月訪問してくる税理士でもいいかも。必ず「考えてなかったこと」「考えてたけどもっとクリアにイメージできたこと」色々発見があるはずです。ちなみに、紙をきれいに書きなおす必要はありません。手書きの「そのまま」の方が議論は間違いなく盛り上がります。

開業されたクリニックが、一歩でも、1日でも早く先生の理想に近づくために。
お忙しい毎日でなかなかお時間もとれないかもしれませんが、
少し頭をリフレッシュして、「因数分解」をしてみるのもおススメです。