医療・クリニックに強い税理士松浦薫のブログ
医療・クリニックに強い税理士、開業ドクターの「伴走者」、松浦 薫です。
モットーは、「お客様が『一番永く、深く関わりたいと思う専門家』になること」。
※ 私のちょっと(かなり!?)変わったプロフィールはこちら。
消費財のマーケティング→ボストンコンサルティンググループ(BCG)でコンサルタント→天職見つけて今は税理士・・・と
キャリアのくねくね紆余曲折っぷりを、10人中(ほぼ)10人の院長先生に面白がっていただいています(笑)。
Profile vol.1 キャリア前半~戦略コンサル(BCG)など。
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早いもので今年も10月。
個人事業の院長先生には今年の納税予測をお伝えする時期になりました。
納税予測と一緒に話題になるのが、「医療法人化」。
東京都の次の申請が来年2~3月ということもあり、現実感もってお話されるケースも増えてきました。
「医療法人化」のご相談を頂いた場合、必ずと言っていいほどまず最初に行う試算が、
法人化すると、納税額がどの程度変わるのか?
という試算です。
つまり、
が、どの程度違うのか、という試算。
他にも色々と検討すべき点・留意事項はありますが、
(過去の、医療法人化に関する記事はこちらをご覧ください。)
まずは、この試算をもとに、検討を前に進めるかどうか、をご判断いただくことが多いです。
で、試算にあたり、
来年からの改正で、これはインパクトがあるかも。
と思う点がありますので、アップしておきたいと思います。
何かというと、役員報酬にかかる税金が上がってしまう・・・という改正です。
ご存知の先生も多いかもしれませんが、
医療法人から受ける役員報酬は、税法上は「給与」となります。
給与所得者は、ご自身で事業をなさっている場合と違い、「収入から経費を引く」ということができませんよね。
そのため、「給与所得控除」といって、給与の額面収入から自動的に計算して所得を引いてくれる(=税金が少なくなる)制度があります。
この「給与所得控除」が、令和2年(2020年)の給与収入から下がることになっています。
詳しくは、国税庁のホームページによるとして、
ざっくり申し上げると、
1000万円を超える給与から、これまでは220万円引けていたのが、令和2年からは195万円引く
という形になります。つまり、
自動的に所得が25万円上がってしまう
ということですね。
所得税の税率が最高税率の先生だと、
住民税と合わせて約14万円の増税
となります。。
そして、この「給与所得控除」だけでなく、
同じ所得控除の「基礎控除」も改正が入ります。
令和元年までは、一律38万円の基礎控除が、
令和2年から、下記に記載する例外を除き、基本的に一律48万円の基礎控除となります。
・・・ん?増えた?
ということで、そうなんです。
改正の趣旨としては、
給与所得控除から個人事業主などの事業所得者のかたもうけられる基礎控除へ10万円シフト
した形となるのですが、
実は、またここに落とし穴。
この基礎控除。
合計所得金額が2400万円を超えると金額が少なくなり、
合計所得金額が2500万円超で、ゼロ!となってしまいます。。。
つまり、
役員報酬だけで、2695万円(2500万円+給与所得控除195万円)を超えるかたは、基礎控除が全くなくなる、
ということになります。
ということで、
医療法人様の役員報酬を得ておられる先生には、あまりうれしくない話になりましたが、
来年以後の所得税・住民税を試算するうえで、少し影響が大きな話ですので、
早めにアップさせていただきました。
【ひとりごと】
「自遊人」11月号。ガストロノミー特集。
美味しいものをたくさん頂きたくなりました。食欲の秋、到来です^^。