人事・労務

クリニックの「有休休暇取得義務化」②:よくあるご質問

2019.03.31
人事・労務

医療・クリニックに強い税理士、開業ドクターの「伴走者」の松浦 薫です。

モットーは、「お客様が『一番永く、深く関わりたいと思う専門家』になること」

院長先生が理想とする、自分らしいクリニックを作って頂くために、頼りになる「伴走者」であることを目指してます。

 

※ 私のちょっと(かなり!?)変わったプロフィールはこちら。

消費財のマーケティングボストンコンサルティンググループ(BCG)でコンサルタントやっとこさ天職見つけて今は税理士・・・

キャリアのくねくね紆余曲折っぷりを、10人中10人の院長先生に面白がっていただいています(笑)。

Profile vol.1 キャリア前半~戦略コンサル(BCG)など。

Profile vol.2 キャリアつづき。なんで税理士。

 

いよいよ明日から施行の「働き方改革法」。

中でも、有給休暇取得の義務化については、

生がたからご質問を頂くことがさらに増えてきましたので、よく頂くご質問を、メモとして記載しておこうと思います。

 

ちなみに、有休休暇の取得とは?導入のポイントは?を書いた前回のブログはこちらです。

クリニックの「有給休暇取得の義務化」①:上手く実現するためのポイントは?

 

その①:
対象者にはパートさんも含まれるの?

はい。義務化の対象には、正社員さんだけではなく、パートさんも含まれます。

ただし、年の有給休暇付与日数が10日以上の方のみ対象となります。

その②:
「年の有給休暇付与日数が10日以上」とは?

(私は税理士なので、労働基準法は専門領域外なのですが、、、)

労働基準法で、「雇い入れの日から6か月間継続勤務し、全所定労働日の8割以上を出勤した労働者には年次有給休暇が与えられる」ことが定められています。

付与日数もあわせて定められているのですが、そちらが、

  •  一般の労働者(つまり、正社員)・・・勤務年数6か月で10日
  •  パートさんは、週の所定労働日数が4日のかた・・・勤続年数3年6か月で10日

となっています。

 

そのため、

正社員の方であれば、基本的に有休が付与されている方はすべて

パートさんの場合は、週4日働かれている方で、勤続年数が3年6か月を超えられている方には、

その時点で有給休暇が10日以上付与されますので、今回の有給休暇取得の義務化の対象となる、ということです。

 

その③:
自分で有給休暇を5日以上とっている
従業員にも、
さらに5日取得させる必要があるの?

意外によく頂くのがこのご質問です。

厚生労働省のホームページなどで、「年5日の時季指定義務」と記載されているからかもしれません。

結論からいうと、その必要はありません。

「年5日の時季指定義務」は、すでに5日以上の年次有給休暇を請求・取得している従業員については、

時季指定をする必要はない(、というよりできない)です。

どういう経緯(時季指定、自分で取得、計画的付与)であっても、

年次有給休暇の取得の合計が5日以上になればいい、ということでしょうか。

その④(というか番外編)
「有休休暇の管理」が大変すぎる…

・・・本当に、お察しいたします。

基本的に、入社日から起算して6か月、そこから1年ごと、に有給は付与され、

付与日から2年で有給休暇は消滅時効を迎えます。

つまり、それぞれの従業員さんごとに、

その時点での有給の残日数が違う(一律に計算式とかでサクッと出る、とかではない)んですよね。。。

 

今、私って有給何日あるんですかー?

 

従業員さんからの、その無邪気なご質問、・・・恐怖です。

こういったお話を頂いた場合、少しでも先生や事務長のお手間を減らすために、

 

  •  有給管理をご自分でなさらない(給与計算などと合わせて外注に出す)
  •  有給付与のタイミングを個別から一斉にシフトする(もちろん当初は従業員有利で)

 

などの方策をお勧めするようにしています。

 

以上、よく頂くご質問で代表的なものを挙げてみました。

4月1日の施行から、またいろいろご相談も増えてくると思うので、

機会をみてアップしていこうと思います。

 

私自身は、「有給休暇」という概念から遠ざかって久しいので、

 

今日は休みだけど「報酬が発生してる」という日がある

 

という制度は、本当にありがたい制度だなー、と思います。

 

その分、従業員の方にとっても、非常に関心事が高く、

またその分、先生や事務長の管理コスト(間違えられないですね)が高いのも特徴。

 

4月1日からの義務化、スムーズに導入していただきたいと思います。

 

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※ 税務顧問は、私が税理士として在籍する税理士法人TOTALにて承らせていただきます。

 

【ひとりごと】

ベランダから見える建設中の「国立競技場」。

だいぶできてきました。建設当初からとっといたらよかったなー。

 

最近、「費用対効果でいうと、ちょっと割にあってないなー」という日がいくつかあり。

最初は、「なんだかな~、なっとくいかないな~」と心の中でグダグダいってたのですが、

師匠からの一喝で目が覚めました。

 

あくまでいま見えているのは、「『経済的な(しかも短期軸の)』費用対効果」。

時間軸やカテゴリー軸を組み合わせていけば、

自分の工夫次第で、「割に合わない日」なんてゼロにできる、と。

 

最近の座右の銘は、「一粒で二度美味しい」。素敵な響き♪