医療・クリニックに強い税理士松浦薫のブログ
今回は、「開業前経費」のお話し。
「開業前経費」。
その名の通り、開業前に、先生がたがクリニックのために使われた経費です。
事業のために使われているのですから、当然、クリニックの経費として計上していくのですが、
若干わかりづらいところもあり、
開業を考えておられる先生方や、開業したての先生方からよくご質問を頂く項目でもあります。
ということで、「開業前経費」についてよくいただくご質問について、整理してみたいと思います。
まず1つめ。
どんなものが開業前経費になるの?
ざっくりと申し上げると、「クリニックの開業に要した費用」ということなのですが、
これまでお手伝いした先生方から頂戴した領収書を拝見すると、下記のようなものが多いのかなーと思います。
例えばの例を挙げさせていただくと:
一つ一つは小さな金額でも、まさに「つもれば何とやら」。
拝見していると、先生によってもばらつきはありますが、
少ない先生でも100万円前後、多い先生だとほんとに数百万円というレベルで開業費を使って頂いていると思います。
では、次。この質問もよくいただきます。
じゃあ、開業前の経費っていっても、どのくらい前から経費計上できるの?
実は、こちらについては法的に決まった規定、というのはないんですね。
クリニックの開業に要した費用、ということなので、
例えば、3年前から開業セミナーに出ているよ、と、その参加費は?というともちろん開業費として計上すると思います。
ただ、そうはいってもやっぱり目安はあったほうがよいよね、ということで一応目安として、
開業される先生がたには、開業前半年や1年くらいを目処に領収書を頂戴して計上させていただいてます。
あとは、こちらもよご質問いただくのですが、
Amazonとかで買ったら領収書がなかった。どうしたらいいの?
交通費は、PASMOのICカードで使ってるけど、領収書がでない。どうしたらいいの?
こういった場合、無理に一枚一枚領収書を請求して頂く必要はありません。
Amazonなどであれば、ネットの画面とかを印刷いただいて保存いただく、
交通費の場合、利用明細を印字(直近100件までなら券売機で印刷できます)いただき、
保管頂く形で構いませんので、ぜひ集めておいて頂ければと思います。
で、こちらの開業前経費について、もう一つお伝えさせて頂きたいことがあります。
この開業前経費、節税という意味でもとっても大事です!
ちょっとややこしい話になって恐縮なのですが、
この開業費って、開業後の経費とちがって
一度資産計上をした上で、シンプルにいいますと、開業した年だけではなくて、いつでも経費にすることができるんですね。
開業年度ってなかなか初年度から利益が出られるケースは少ないんですよね、
なのでそこで経費をつけても節税にはならない、もしくは節税効果は少なくなります。
ただ、その後順調に推移されてくると、所得税の税率はどんどん高くなっていきます。一番高くて45%。
その高くなってきたタイミングで、この開業経費を計上すれば節税効果は非常に高くなるんです。
上で書かせていただいたとおり、少ない先生でも100万円前後、多い先生だとほんとに数百万円というレベルで開業費を使われていますので、
税率を考えると数十万円から数百万円の節税効果となってきます。
ですので、いま開業のご準備をされている先生がたのお手元にあるこれらの領収書は、お金と同じです。
開業後の先生がたの節税にもなるお話ですので、重ねて領収書は、まとめておいていただくようにお願いたします。
お忙しい中、領収書の整理、をしていただくのは大変面倒だと思いますし、その必要は全くありません!ので、
何か一つクリアファイルとか箱をご準備いただき、該当する領収書をどんどんいれておいていただけるといいと思います。
【ひとりごと】
最近のお気に入りのリマインドツール。「リマインくん」。
ラインのアカウントで、「リマインドしてほしいこと」と「リマインドしてほしい時間」を伝えると、
まさにそのまんま「リマインド」してくれます(笑)。
さすがに仕事やPJT関係では使えないので、主に「プライベートタスク」用に。
リマインドについてくるちょっとした励ましが、まったくかみ合わなくてカワイイ。
仕事やPJT関係のリマインドツールは絶賛探索中です。
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医療・クリニックに強い税理士、開業ドクターの「伴走者」、松浦 薫です。 モットーは、「お客様が『一番永く、深く関わりたいと思う専門家』になること」。 ※ 私のちょっと(
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