税金・節税

クリニックの固定資産税:固定資産税の課税明細書がきたら、どこを見る?

2019.06.09
税金・節税

医療・クリニックに強い税理士、開業ドクターの「伴走者」、松浦 薫です。

モットーは、「お客様が『一番永く、深く関わりたいと思う専門家』になること」

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「固定資産税の課税明細」

税理士になる前にはほとんど口にすることのなかったこの単語。

税理士になってからは、相続の仕事をさせて頂いていることもあり、何度となく口にすることになりました笑。

 

6月になると、先生方のお手元に「固定資産税の課税明細」が届かれると思います。

固定資産税課税明細

こういうもの、ですね(東京都のHPより抜粋)。

ご自宅やクリニック、事務所などの土地・家屋について、今年にいくら税金を払うことになるのか、を通知されるものです。

 

年に1度の通知で、忘れたころにやってきます笑。

 

「課税明細」ですので、

今年の固定資産税はいくらになりますよー

と通知してきているものになるのですが、ご覧頂ければおわかりになるとおり、たくさん数字が入っています笑。

・・・色々書いてるけど、税金がいくら、ってことだけはわかるよね・・・

といったところでしょうか。

 

お手元に届いた際に、見るべきポイントと、先生がたからよく頂くご質問を挙げてみたいと思います。

① まず見る数値は3つ。
「価格」・「課税標準」そして「税額」。

シンプルにいうと、固定資産税(都市計画税)は、

課税標準額 ✖ 税率(固定資産税1.4%、都市計画税0.3%)

で計算されます。そこから小規模住宅用の軽減税額などが入ってくる場合などありますが、そちらは省略します。

ですので、いろいろ数値は書いてありますが、まず下記の3つの数値、「価格」・「課税標準」・「税額」を見て頂ければと思います。

 

  1. 「価格」
    • 固定資産税を計算するうえでの「評価額」です(固定資産税評価額、といいます)。
    • 3年に一度評価替えがあり、直近では平成30年度に評価が変わりました。
    • ちなみに、例えば実際に売却する、といったときの「価格」(いわゆる時価、ですね)とは意味が異なります。
    • 土地の価格は一物四価、といわれ、数年前に所属している税理士法人に書いたコラムはこちら。土地の価格は「一物四価」
  2. 「課税標準」
    • 税率(固定資産税は1.4%、都市計画税は1.3%)をかける金額です。この課税標準が高くなれば、税金も高くなります。
    • 家屋の場合には、通常1.の「価格」=「課税標準額」となりますが、
    • 土地の場合には、小規模住宅用地の場合は課税標準額が価格の6分の1になったりしますので、必ずしも「価格」=「課税標準」ではありません。
  3. 「税額」
    • こちらはシンプルです。基本的には、2.の「課税標準額」に税率をかけた金額になりますが、
    • 一部、小規模住宅用地などに軽減額があります。

 

② 注意点(1):
共有の場合は、お手元に届かない場合も

もし、土地・家屋を他の方と共有されている場合は、原則として、不動産登記簿等に最初にお名前が登記されている方に納税通知書が送られます

宛先に「〇〇〇様 他〇名」と書いてある場合がそうですね。

 

③ 注意点(2):
固定資産税が変わるのは3年に1度、ではない

①でお伝えしたとおり、固定資産税評価額の評価替えは3年に1度です。

土地の「課税標準」は、基本的には、「固定資産税評価額」の何分の1、という形で固定資産税評価額に比例します。

ということは、税額が変わるのは、3年に1度・・・・と思いきや、そうではありません。

「負担調整措置」、といって、3年に1度の価格の見直しによって税額が急激に上昇するのを抑えるために、

段階的に課税標準を上げていく措置がとられています。

 

④ 注意点(3):
医療機器や内装工事は「償却資産税」

あまりお気になさらないかもしれませんが、

「固定資産税」は土地・家屋にかかってくる税金です。

クリニックに関連する「固定資産」としては、医療機器や内装工事、があると思います。

こちらについては、「償却資産税」という地方税がかかってくる、ということを最後にお伝えしておきます。

固定資産税と同じく、そろろそ課税明細がお手元に届くころですね。

 

【ひとりごと】

早いもので、6月も半ばになってきました。

ありがたいことに、6月に入ってからもほぼ休みなくおシゴトさせて頂いております。

体力的にも、気持ち的にも、セルフコントロールできていれば、結果オーライということで、しょうか。

湿気も暑さも増してくるこの季節、やさしいクリームスープでほっこり。